~こんな案件ありました~ 「ドライブレコーダーは嘘をつかない」
過失ゼロの交通事故事件~ドライブレコーダーは嘘をつかない~
1. ご挨拶
こんにちは、近頃は猛暑日が続いて汗が滝のように流れています。
皆様も体調を崩さないように気を付けて外出してくださいね。
さて、つい先日、交通事故事件で、クライアントの過失ゼロの和解を勝ち取りましたので紹介します。
この事件で役立ったのがドライブレコーダーでした。
2. ドライブレコーダーの普及
ドライブレコーダーが自動車に取り付けられるようになったのは、14~5年前からです。
最初期はタクシー・バス・トラックなどの営業車への設置が中心でした。
私が一番最初にかかわったのは、交通事故紛争処理センターで斡旋委員をしていたころ、タクシー会社が提出したものです。
衝突事故がきちんと録画されていたので、過失割合を判断するのが非常に楽でした。
何よりも紛争の相手方の嘘の主張(虚偽の証言)を暴くのに役立ちました。
その当時は、映像を確認するだけの簡素なものでした。
最近のドライブレコーダーは鮮明な画像に加えて音まで録音することができます。
撮影角度は、だいたい120度から160度ぐらいまでと幅があります。
録画画面には時刻とスピードまで合わせて記録されています。
3. 今回の事件
私のクライアントAさんは第一車線(左側)を前の車に続いて走行しており,相手方は第二車線を走行中、第一車線に車線変更しようとしてAさんの車に衝突しました。
事故当時、第二車線(右側)は渋滞しており,相手方Bの速度はだいたい4~10㎞程度の徐行運転でした。
Bは、スムーズに流れている第一車線に車線変更するために左方向にハンドルを切り、第一車線に進入したところ、Aさん車両の右前輪付近にB車両左側を衝突させた、という事故でした。B側弁護士は、「Bは左にウインカーを出し、後方確認をしたうえで左側にハンドルを切ったのであり、Aさんには前方不注視の過失がある」として、過失割合は、Bが7割、Aさんが3割だと主張してきました。
4. 事故のドライブレコーダー
この事故のドライブレコーダーの画像は1秒間に27コマ撮影されていました。
そこで、衝突前後3秒間の画像約80コマを実際に印刷し画像を分析していくと、衝突の瞬間は画像が揺れることが分かります。
更に、画像にはBが出していたと主張したウインカーの黄色点滅が一切映っていません。
これらに加えて、音声データを何度も聞きましたが、ウインカーを出した時のチカチカという音がせず、ラジオかテレビの音声があるのみです。
この事実を突きつけたところ、Bがウインカーを出して左側にハンドルを切った、という主張を排斥できました。
今回の事件では、画像と音声の分析を丁寧にすること、そして相手方の主張と矛盾する事実がないか、ドライブレコーダーの証拠とすり合わせて確認すること、これらがとても重要なポイントとなりました。
5. 最後に
当事務所は、交通事故事件の経験も豊富です。
交通事故のトラブルは、是非当事務所にご相談ください。
この事件では、エンジンのレストアー(載せ変え)という、めずらしい争点もありましたが、これについてはまた記事にしようと思います。